活動レポート:
こども映画教室 文化庁 クリエイター派遣2025 撮影部@福岡

文化庁 学校における文化芸術鑑賞・体験推進事業 舞台芸術等総合支援事業〈クリエイター派遣〉
福岡女子商業高等学校

開催日:2026年1月22日(木)-23日(金)、2月5日(木)
開催場所:福岡女子商業高等学校
対象:高校1-2年
特別講師:飯岡幸子(撮影監督)
講師:髙橋壮太(映画監督)
企画運営:一般社団法人こども映画教室®

 
 

ワークショップ 1回目

文化庁 クリエイター派遣事業の第二弾。特別講師はこども映画教室のベテランスタッフでもある、撮影監督の飯岡幸子さん。そしてこども映画教室始まって以来、初の高校でのワークショップです!2回にわたって学校にクリエイターを派遣します。

お伺いしたのは福岡女子商業高校。「挑戦を、楽しめ」というスローガンの学校で、今回参加してくれた生徒さんたちは自主的に集まった皆さんです。学年もクラスもバラバラ。 事前に「飯岡さんに見せたいもの、場所を撮影してくる」という宿題を出し、第1回目の1日目はまず、その宿題を一人一人みんなで観ていきました。どの生徒のカットも工夫があり、とても面白かったです。

2日目は3チームに分かれて、2カットで「学校のなかで見せたい場所を撮影(①)」、そのうち1カットはフィックスで撮影します。それをみんなで観て飯岡さんや他のチームがコメントしました。次に同じチームで、今度は3カットで「①で撮影したどちらかのカットの中に人を登場させる」「その人物が"引き返す"動きを撮影。その前後をそれぞれ1カットで撮影するが、それはどこで撮ってもいい」「そのうち1カットはフィックス」というルールで撮影しました。最後に3チーム分をみんなで鑑賞。どの作品もすでに映画の1シーンとなっていて、センスの良さに驚きました!次回は2月5日、今度は1日で映画を制作し、上映まで行います!

ワークショップ 2回目

2回目のWSです。前回の3チームのまま、今度は本編となる作品をつくります。

● 3シーンの映画を作る
●「引き返すシーン」を必ず入れる。「引き返す」ということが話の起点となるように。
ただし、「引き返す」理由は外的要因ではなく、内的要因であること。つまり、引き返す原因が外ではなく、本人自身にある。見えない「気持ち」を撮る。引き返すシーンだけでは引き返す意味がわからなくてもいい。最後まで見てわからなくてもいい。

〈スケジュール〉
8:40~お昼まで 撮影
お昼以降 編集+追撮
14:30 上映会
15:30 終了+記念撮影

赤チーム『あのさ』:すぐに内的要因として、心配、決断、愛、躊躇、などの言葉が出ていました。そこから卒業式の日、友だちと校門を出た主人公が校舎に走って戻り、廊下を走り、やっと教室にたどり着くと、そこに一人ぽつんといた友人に「あのさ」って声をかける、窓を向いて座っていた子の足が主人公の足の方を向く、というラスト。開かれたエンディングで、想像させるが、なぜか悪いことは起こらない気がするのが不思議。走り抜けていく少女のエネルギーを感じました。

青チーム『告白』:なかなか「内的要因」にはならず、「告白」という言葉をみつけ、男性の先生に出演交渉をして、告白の相手になってもらう。友人二人が男性をある教室に連れてきて、そこに主人公が入ってきて告白する。いいよ、という返事のあと、教室を出た主人公は他の2人と窓からそっとその男性の様子を観ていてニヤニヤしている姿を「きもいよね」と言って、引き返して「やっぱりなし」と振るというもの。

黄チーム『影法師』:上手に学校という場所を使って(黒板、掃除、図書館、手洗い場)都市伝説のように、聞こえてくる鈴の音を探索しに行く主人公を描きました。ちゃんとホラーになっていたし、よく考えて撮っていました。画面の外から聞こえてくる音の効果がとてもよかったです。

3チームとも、撮影は楽しそうで、編集でうまくつながったときの気持ちよさみたいなものを実感しているようでした。初めての高校でのワークショップでしたが、高校生ならではのちょっとハードルの高いワークショップができたと思います。学校の先生が「こどもたちが飯岡さんに出会うことが大事、と土肥さんが言っていたことがよくわかった」と言ってくれたことが嬉しかったです。非常に属人的なワークではあるけれど、ワークショップとしてもかなり完成されたものだったと思います。

高校生たちはあまり感情を伝えては来なかったけれど、あとから共有されたコメントでは実は様々なことを感じ取っていたことがわかりました。ナラティヴだけではない、映画だからこそできること、ということに気づいてくれていたと思います。

*こども映画教室のワークショップは、こども映画教室の知的財産です。許可なく同様または似通ったワークショップをすることを禁じます。