活動レポート:
こども映画教室@昭和村2024
10月12日(土)〜14日(月・祝)、小学生向け映画制作ワークショップ「こども映画教室@昭和村2024」が開催されました。群馬県昭和村でのこども映画教室は今年で三回目。今回は、特別講師/赤チーム・リーダーに奥定正掌さん、青チーム・リーダーに太田達成さん、黄色チーム・リーダーに加藤紗希さんを迎えました。
ワークショップ 1日目
秋晴れの空の下、開催初日のレポートです
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★ 赤チーム 1日目
自然豊かな土地、昭和村で3日間の映画制作が始まりました。特別講師は奥定正掌さん(おっくん)です。
初日の今日、まずは準備体操からスタート。耳に手を当て、映画の大事な要素である音を聴いたり、手でつくったフレームで人物を切り取る練習もしました。いざ公民館の中を歩いて、魅力的な場所を探して撮っていきます。ひとりワンカット撮り、その場で工夫しながら音も録りました。鑑賞では、撮れた画をサイレントで観た後、音を組み合わせて再度鑑賞し、見比べました。同じ画でも音によって見え方に変化が現れ、表現されるものの違いに気づいていきました。


午後のワークでは、今回のテーマでもある「振り返る」をチームでワンカット撮影。赤チームは、子どもたちだけでどんなカットを撮るか話し合っていきました。明確にまとまらずともカメラを回すと自然な動きでシチュエーションをつくっていけることに驚きました。


最後に撮影したワイナリーにあるぶどう畑を駆け抜けるショットは、躍動感があり観飽きません。明日、大きなスクリーンで今日撮った素材を観たとき、子どもたちがどんなふうに感じるのか楽しみです。
(リカちゃん)


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★ 青チーム 1日目
爽やかな秋晴れのなか、ワークショップの1日目が始まりました。
最初はみんなで耳に手を当てて周りの音を集中して聴いたり、両手でフレームを作り目の前の景色をトリミングしたりして、映画を作るための準備体操をしました。お昼を食べた後、特別講師のおっくんからテーマが発表され、「ふりかえる」動作を入れてチームで撮影をすることに。


青チームは、午前中のワークで気になった公民館外のトンネルに向かいました。トンネルの奥にいる人物がパッと振り返り、こちらに歩いてくるというシーンを撮影。みんなでカメラと人物との距離感を探ったり、この画に付ける音をどうするか相談して決めていました。
次に公民館の階段で撮影をすることに。階段は真っ暗でほとんど映りません。そこで、スマートフォンのライトで足元を照らして歩き、1人が照明係になって隠れて階段の電気を点滅させて演出するというアイデアが生まれ、インパクトのあるワンシーンとなりました。


最後のワークでは、青チームの撮影場所であるりんたんの家に移動して「ふりかえる」をテーマに撮影しました。アイデアを膨らませるために、まずは家の周りを散策。おやつを食べながらおおまかなシナリオを考え、まずは玄関先でのシーンを撮ることにしました。撮れた映像をみんなで観ながら役者の動作やセリフの間を考えて、それに合ったマイクの追いかけ方を探りながら3テイク撮ることができました。それぞれに良さがあり、これからどのように展開していくのかとても楽しみです。
(ひなちゃん)


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★ 黄チーム 1日目
本日は初日、初顔合わせ、こどもたちも緊張している様子でしたが、スタッフの自己紹介ワークをしたことで緊張もほぐれたようです。
ワーク1はひとりづつ興味をもった風景やモノなどを撮影し、それに録音した音を当てるもの。黄色チームは三脚を使って、葉の揺れや展示室の骨など自然物を撮影、三脚を使いカメラを固定することで小さな葉っぱの揺れを捉えることに成功!映画教室を経験したことのあるクーリッシュを筆頭に三脚を上手く使いこなしていました。フジイは大きな蜘蛛の巣のクモを撮影、青空とクモがスクリーンいっぱいに写って、とても良い画でした。


ワーク2は人が「振り返る」瞬間を撮る、というもの。黄色チームはホールの客席を使い撮影。めりかちゃんとひまりんが手を繋いている途中に忘れ物に気づいて引き返すというもの。役割分担もフジイとシマダでカメラ係を行い、演出と音声をクーリッシュ、参加者全員が自分の役割を頑張っていました。 その後は川へと向かい、物語作り。川への道中、いい風景を見つけるとその場で撮影を行える行動力のある黄色チーム、どんどん素材を撮り溜めていって、それに合わせて物語も組み立てていっている様子。


とにかく時間通りに撮りたいものを妥協せずに撮れる黄色チーム、終わった後時間が余ったので図書館で読書、明日撮りたいシーンなどをちょっと話したりしました。1年生のフジイも妖怪が好きとクーリッシュや自分にも話しかけてきてくれて緊張もほぐれた様子です。年長者のクーリッシュを筆頭にそれぞれがメンバーを気遣うとても良いチームだと感じました。
(ガブ)


ワークショップ 2日目
作りたい映画のイメージをみんなで共有した各チームが、いよいよ本格的な撮影に挑戦する、2日目のレポートです。
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★ 赤チーム 2日目
今日も1日ワイナリーで本編の撮影をした赤チーム。
撮影場所へ行く前に、映画で描くものをみんなで話し合いました。そしてロケ地へ行き、物語のはじまりとなるシーンから撮っていきます。一度撮り終わってもみんなで確認をして、修正点を話し合いテイクを重ねます。初日よりも子どもたち同士の会話が圧倒的に増え、その分アイデアがぶつかり合いまとまらない時もありましたが、「とりあえず撮ってみよう!」と自分たちで前進していく姿が見えていきました。


撮影を進めていくなか、偶然出会った猫を映画に活かすことに。そう簡単にはいかないだろうと思いつつ、いざカメラを回すと思いがけない奇跡的なシーンを撮ることができました!


運も味方につけながら、最後まで疲れた顔を見せず撮り切った赤チームのみんな、お疲れさまでした!明日はいよいよ最後の仕上げ、編集に入っていきます。どんな映画になるのか、待ち遠しいです。
(リカちゃん)


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★ 青チーム 2日目
ワークショップ2日目です。
最初に3チームの「ふりかえる」をみんなで鑑賞し、他のチームからのコメント、チームリーダーからの意見などを受けてこれからの撮影プランを決めていきました。それから、りんたんの家へ移動して撮影開始。スイッチが入ったのか、朝からみんなの集中力が凄まじく、セリフの間や言葉数、カメラワークを、テイクを重ねるたびに調整し、納得のいくまで同じカットを撮り続けました。


昨日作ったシナリオを元にロケに出ましたが、気になったものはとりあえず撮影してみるということをしながら歩き、この作品の可能性を広げていきました。午後からはりんたんの家の2階から4階の屋根裏部屋のような空間を使って撮影をしました。同じシーンを20テイクほど撮ったり、照明で場を演出するなど、みんなのこだわりが詰まった映像を撮ることができました。


全力で撮影に挑み、公民館へ戻る最中の車内で熟睡するくらいヘトヘトで公民館へ戻りました。明日はいよいよ上映日です。最後まで走り切りましょう!
(ひなちゃん)


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★ 黄チーム 2日目
昨日の撮影したものをホールで上映、黄色チームはオバケとして出演していた役が、オバケに見えなかったという意見があり、ストーリーを検討しました。 その後撮影へ。駐車場前で撮影、その後玄関前、ホールをカットのつながりを考えながら、連続で撮影していきました。上映時に言われた、「自然にセリフを言うこと」を意識して声がけ。


お昼休憩後、橋へ移動しましたが、アイデアが浮かばすそのまま引き返すことに。午前中の連続ダッシュが響いたのか、出演の子たちが疲れている様子だったので、休憩、水分補給を挟みながらトンネルでの撮影を終えました。


最後は年長者がリーダーシップをとってくれて神社でのラストシーンの撮影を撮り終えました。みな最後まで集中して頑張りました。
(ガブ)


ワークショップ 3日目
いよいよ最終日、追加撮影・編集・ポスター作り、そしてお披露目上映会へ…。3日目のレポートです。
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★ 赤チーム 3日目
3日目の最初は、昨日撮った素材のラッシュをみんなで観るところから始まりました。
チームリーダーのおっくんの声かけのもと、ひとつひとつカットの特徴や良かったところ、逆に上手くいかなかったところをメモしながら丁寧に観ていきました。最後まで見終わり、ラストシーンに納得いかない様子だった子どもたち。楽しいシーンで終わりたいという意見が出て、限られた時間の中、再び撮影に向かいました。
ワイナリーに着くや否や、今まで以上にテキパキと段取りを組み撮り始めました。集中して、少ないテイクでエネルギー溢れるシーンを撮ることができました。


戻ってからは、編集とポスターづくりに分かれて進めていきます。
編集でも自分たちの映画制作の欲望に従って猫のシーンを入れたり、たまたま生まれた歌を取り入れたりしながら完成に向かっていきました。ポスターには、小道具で使った葉っぱを貼ったりして、工夫した楽しいポスターが出来上がりました。



上映会でスクリーンに映った、走ったり驚いたり退屈したり笑ったりするみんなの姿は魅力的で、引き込まれていきました。確かな感情がそこに表れていたからだと感じます。素晴らしかったね。
みんな最後までお疲れさまでした!
(リカちゃん)

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★ 青チーム 3日目
いよいよ最終日です。
まずは編集室で昨日撮った映像を観て並べ替え、この映画の大筋を立てていきました。並べてみると、カットとカットの繋がりの不自然さや足りない部分に気づきます。追加撮影で何を撮るかを話し合い、ポスター班と追撮班に分かれて行動しました。 追撮班は、りんたんの家で「消えた妹を探すために家中を探し回る姉」のシーンを、凄まじい集中力で撮っていきました。



ポスターはほぼ1人で描きすすめ、仕上げをみんなで描いて完成させることができました。 最後は、追撮分を調整したあと、オープニング用の音楽を即興で演奏し、映像と合わせて完成しました。


上映会ではいろいろなコメントをもらい、みんなからは達成感に満ちた雰囲気を感じられました。昭和村だからこそ、りんたんの家でこのメンバーが集まったからこそ出来た映画だなと、スクリーンを観ながら感じました。
みなさん、3日間本当にお疲れ様でした!
(ひなちゃん)

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★ 黄チーム 3日目
最終日、まずは今まで撮影した映像を通して観てみます。足りないシーンをみんなで考えて、神社と川の道に行くことが決まりました。
今ある素材でも大丈夫といえば大丈夫な状況でしたが、もっと良い作品にしたいというみんなの想いが伝わってきました。

神社にいき、2日目に撮ったラストシーンの撮り直し。もっと楽しいシーンにしようということで、今まで三脚でfixしていたスタイルを変え、躍動感のあるものに変更しました。
そして川へ向かう道を再撮。初日蚊にたくさん刺されてしまったので、蚊取り線香の煙を纏いながら撮影を完了させました。



戻ってきてタイトルを決めるのですが、体力を使ったせいか、話し合いが思うように進みません、それでも年長者が率先して意見をまとめていきタイトルも無事決定。編集、ポスター、音楽も上手く役割分担して時間内に完成させることができました。

上映会、作品は女の子二人組と友だちになりたい子が奔走する話、それが現実の黄色チームとリンクして、フィクションとドキュメントのあわいのような素晴らしい作品に仕上がりました。何より音楽が素晴らしい。
黄色チームのみんなは、成長してもう一度この作品に出会うのでしょう。そのことを考えると本当に胸がいっぱいになりました。みんなお疲れさまでした。
(ガブ)

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上映会
「こども映画教室@昭和村2024」の上映会が昭和村公民館のホールで2024年12月20日に開催されました。
今回の上映会のために、参加者のみんなが招待状を配ったり、ポスターを作成して、学校に張り出してくれたおかげで、学校の先生や、お友達などたくさんの方々が映画を観に来てくださいました!




上映はメイキング映像を鑑賞してから各チームの作品上映がスタート。メンバーが登壇して、頑張ったことや、参加した感想、またお客様からの質疑応答にこたえました。
黄色チーム『ともだちになりたい』
〜〜あらすじ〜〜
おんなのこと友だちになりたいおとこのこがいて、おとこのこは友だちになれるだろうか。(こどもたちが作ったプログラムより)

●竹やぶを写したシーンがきれいだったと観客からの声。風景や場所をしっかりと映した撮影にみんな大変驚いていました。

青チーム『ミステリーハウス』
〜〜あらすじ〜〜
2人の姉妹がなかよくさんぽしていると、みたことがない家をみつけた。2人はきになってはいってみることに。みたことがない家に入ってしまった姉妹は、どうなっていしまうだろうか。(プログラムより)

●カメラのピントは通常オートにするそうなのですが、青チームのカメラマンはマニュアルで撮影していたそうです!真っ暗の家の中をとてもきれいに映していて、こだわりのシーンが出来上がりました。

赤チーム『かくれんぼうけん』
〜〜あらすじ〜〜
最初は4人でやってて、と中で5人であそんでいたが、一人ゆっくんが見つからない!ゆっくんを見つけるまでのぼうけん。(プログラムより)

●ゆっくんを探している途中で猫に遭遇! まるで猫も芝居しているかのように、みんなのゆっくん探しに協力するシーンはびっくり。

メイキング映像での楽しそうな姿に学校の先生方もとてもびっくりしたようで「学校と映画作り、どちらが楽しかったですか?」という質問も(笑)
「手出し口出ししない」こども映画教室の、こどもの自主性を尊重する方法に先生方も興味津々の様子でした。