活動レポート:
こども映画教室@みなみまきむら2025

2025年7月26日(土)から28日(月)までの3日間、全国"村"プロジェクトVol.2「こども映画教室@みなみまきむら2025」が実施されました。特別講師に諏訪敦彦監督(『風の電話』)を迎え、長野県南牧村の小学生が映画をつくるワークショップ。こどもたち自らお話を考え、演じ、撮影し、編集して、三つの映画が完成しました!

主催:南牧村教育委員会 共催:株式会社八ヶ岳高原ロッジ
企画運営:一般社団法人こども映画教室®︎

 
 

ワークショップ 1日目

赤チーム  青チーム  黄色チーム

 

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赤チーム 1日目
待ちに待った南牧村での3日間ワークショップが始まりました!特別講師は諏訪敦彦監督(『風の電話』)です。
まず最初に映画を撮影するための準備体操。両手でカメラのフレームを再現し、色々な画角を探すワークと、耳を澄まして音に注目するワークをしました。

その後はチームに分かれて、スマホのカメラで「何か気になるもの、面白いものを撮ってくる」をミッションに公民館の周りを歩いて、1人1枚ずつ撮影しました。6人それぞれが気になった場所や物を自由に撮っていきました。
一人一人の発表が終わった後は、6人の写真を並び替えてチームで1つの物語を作ってみることに。床に写真を並べて、あーでもないこーでもないとチーム全員で話し合います。写真に人や動物など登場人物を書き足し、どのチームも自由な発想で素敵なお話を作ることができました

お昼休憩の後は、早速本編の撮影がスタート。3チームが各場所に分かれて撮影します。
赤チームはまず最初に、川へ続く草むらや神社など、公民館周辺で面白い場所がないか探索することに。あらすじや台本を決めず、実際にその場所を見る、聴くことでアイディアがうまれていきました。神社の神秘的な雰囲気からホラー映画を撮るのはどうかというアイディアが生まれます。公民館近くの宿、和泉館もお借りして様々な場所で怖いシーンが撮影できないかと挑戦します。お芝居やカメラワークを固めずに即興で撮影が始まるのが赤チームのすごいところ。撮ってはみんなで観る、を繰り返して7テイクを撮ることができました。
明日は丸一日撮影に使える大事な日になります。最後まで妥協することなく、力を合わせて頑張ろう!
(かなやん)

 

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青チーム 1日目
1日目の午前は「面白いもの、気になるものを写真に撮る」ワークからスタート!今回の特別講師は諏訪敦彦監督です。
とても静かな青チームは、じっくり周りを観察しながらそれぞれの視点で写真を撮れました。そのあとは写真を並び替え、オリジナルの物語を作ります。諏訪さんから「登場する人物や動物を写真に書き込もう」とお話があり、蝶がヤモリと出会って追いかける話ができました。

午後はいよいよ本編の撮影!獅子岩に移動した青チームは、まず一人の女の子が岩を登っていくカットを撮ります。単に人物を撮るのではなく、周りの風景も生かしながら工夫して撮影を進めることができました。次に女の子2人と出会うカット、3人一緒に登ってくるカットも撮っていきます。もしかしたら青チームは誰かと誰かが出会うことに興味があるのかもしれません。

まだ物語がはっきりとしていない青チーム。2日目はどんな撮影になるのかとっても楽しみです!
(ふかちゃん)

 

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黄色チーム 1日目
いよいよ「こども映画教室@みなみまきむら2025」が開始しました。黄色チームは始めは緊張した様子でしたが、顔見知りのメンバーもいて、すぐにうちとけていました。
スタッフ紹介とアイスブレイクの後は特別講師の諏訪敦彦監督から映画を作るには何が必要だろう?というお話から映画作りの準備体操へ。指でフレームを作ったり、目を閉じて音に集中してみたり、こども達自身がカメラやマイクになりきるワークをしました。

その後はスマホで1人ひとつ「なんか面白いもの」を撮ってこよう!というミッションで外へ繰り出しました。気になるものを沢山見つけて近づいてみたり手に取ったりしながら各々面白い写真が撮れました。撮った写真をみんなで見て感想を言い合ったあとは、チーム全員の写真を並べてお話を作ろう!というワーク。写っていたものから想像を膨らませ、犬と飼い主の不思議なお話が出来ました。
お昼休憩の後はいよいよ映画作りがスタート。機材の使い方を習いそれぞれ試しに音や映像を撮ってみました。その後、ふれあい公園へ。池の周りを散策することから始め、色々な植物や池の生き物などを見て思い思いに過ごしました。
しばらくそうしていましたが、いざ映画を撮ることになると、テキパキそれぞれのしたい役割で分担をして、とりあえず撮ってみよう!とカメラを回し始めました。撮影する中で、動きや設定をちゃんと決めなきゃだめだ!となり、それぞれの登場人物の設定や演技の内容などを話し合い、決定。その後の撮影では演技も定まっていき、いくつか面白いカットが撮れました。

のびのびした雰囲気の黄色チーム。みんなで楽しそうに映画を作る姿が印象的でした。
明日は1日を通して撮影するハードな日です。黄色チームの元気を無くすことなくめいっぱい頑張ろう!
(うーちゃん)

 

ワークショップ 2日目

赤チーム  青チーム  黄色チーム

 

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赤チーム 2日目
ホラー映画を撮った1日目。
2日目、みんな良く寝た!と元気に来てくれました。まずは、昨日各チームが撮った映像を大きなスクリーンで観る時間。自分達の撮った映像、他のチームが撮った映像、内容もカメラの撮り方も場所も違い、随分刺激をもらった時間になった様子でした。
じゃあ、今日はどおするか、、?
どこで撮るか、どんな内容にするかみんなでアイデアを出し合いました。どうやら、昨日とは違う内容になりそうで、早速、宝の地図が仕上がり、光る石と川から流れて来そうな古い缶を持って早速川辺出発!!

小さな流れのある場所で缶の流れ方の確認やどんな風にすれば自然に流れて来た缶を見つけるか何度も取り直し徐々に演技も上手くなりつつ1カット撮り終え昼休憩。昼食休憩後、 カメラマン、マイク、演出をする役を交代し、昨日撮った場所が素敵だったからそこに行こう!とさっきのシーンの続きから撮り始めました。
すると、⁈あれ⁈
急に子ども達の雰囲気が変わり始めました。まず演出家の「スタート!!」と言う山に響くような大きな声に変わり、カメラマンのこう撮った方が良いと言うこだわり、マイクをやり始めた子も楽しい!と言い始めると役者達もそれぞれにアイデアがでてとっても良い雰囲気!!
お昼を一緒に食べていた諏訪さんはどんなマジックをかけたのでしょう。
更に6人全員が乗ってきて、おやつを食べるよりどんどん撮影したい!と言う子や出演したくなる子、どんどんこだわりが出てくる子、撮影はかなりスムーズに進み、メンバーのお父さんがやっている畑へ行って出演依頼をしこうして下さいとお願いをしてから納得が行くまで撮影!この時には朝とは違う真剣な眼差しでカメラチェック。美味しいトマトも頂き今日の撮影は終了。

その後明日の撮影場所を探しに行くと廃墟が!!
さぁ、クライマックスに向かって明日最終日の撮影はどおなるのでしょう。
今日は1日中暑い中とーっても頑張りました。
(かおりん)

 

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青チーム 2日目
1日目にラストシーンのような美しいカットを撮った青チーム。2日目の午前中は虫取りのため山へ入って行くシーンからスタートです!女の子3人は虫を取るために山へ入ったという設定が加わりました。その後すぐに急な山の斜面で撮影です。むし博士が登場し、3人と出会う様子を撮影します。相変わらず静かな青チームですが、みんなが徐々に議論を深めていく姿が印象的でした。

次のシーンも和泉館(古い旅館)の裏にある急斜面で撮影。”山登り映画”のような青チームは、自然と難しい場所を選んでいきます。体力の消耗が激しい場所にも関わらず、みんな集中力を切らさず撮影を続けられました。

そしてこの日最後のシーンは、むし博士が連れて行かれてしまう場面。全員出演のため大人スタッフに手伝ってもらいながら、青チームのメンバーらしさが出たコミカルなシーンになりました!
いよいよ明日は最終日!どんな映画が出来上がるのでしょうか…!
(ふかちゃん)

 

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黄色チーム 2日目
1日中ロケに出るハードな1日が始まりました!
黄色チームは役柄に合わせ、衣装を着てきたり、小道具を持ち寄りました。まずは中央公民館の大ホールで、各チームが1日目に撮影した素材を大きなスクリーンでみんなで観ました。赤、青、黄色、それぞれの個性が炸裂していました。黄色チームのみんなは他のチームの素材を観て何か感じるものがあったようです。

さて、ふれあい公園に出発です!
到着するなり、みんな池の美しさに目を奪われて、昨日の小道で撮影をもう一回するという話はどっかにいってしまい、池のほとりで違うシーンの撮影が始まりました!こども達は自然体で登場人物の役割を話しながら撮影するシーンのセリフや役割を決めていきます。池のほとりと、水車の周りでもワンシーン撮影しました。
何度か撮り直しもしながら、頑張って撮影していると何やら空が暗くなって、、どしゃ降りです!みんなで車に避難して、お弁当を食べながらこれからどうするか話し合います。雨のシーンは撮りたくても撮れないからね!というチームリーダーの言葉で、雨のシーンも撮ろう!と前向きになるこども達。ご飯を食べ終え、さぁ行くぞ!というところで、晴れ男というウワサの諏訪監督が登場です。するとどしゃ降りだった雨がウソのように晴れていきました!
でも雨のシーンぽいものを撮りたいね、と森の中へ。雨の名残がある緑が深い場所で、また撮影です。そこで、諏訪監督から「みんなが広く映るシーンを撮りたい、そんなみんなの顔をズームして近くで撮りたい。その2つを同時にやるのではなくて、分けて撮ってみたら?」とアドバイスがありました。その言葉に、機材担当のこども達は早速同じシーンを何回も分けて撮ることにしました。
ラストシーンを撮り終えると、、なんと16時半!お迎えがもう来ている時間です!

慌てて帰り支度をして拠点へ。1日撮影して、最年少の子はエネルギー切れ。おんぶしてくれた子の背中でかわいい顔で寝てしまいました。みんなヘトヘトでしたが、最後まで集中してやりきりました! のびのびした雰囲気の黄色チーム。最後まで元気に、みんなが仲良く撮影やりきれたことが印象的です。
明日は編集とポスター作成。ここは編集で、、というフレーズがこども達から何度もあったので、どんな編集になるのでしょうか⁉️お楽しみに❗️
(さとこ)

 

ワークショップ 3日目

赤チーム  青チーム  黄色チーム

 

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赤チーム 3日目
北小学校の教室に場所を移し、いよいよ上映会スタートまで残された時間は残り7時間ほど、 裏山に登り宝物を探すシーンの撮影、カメラ、マイク扱いも、型になってきました。こどもたちのセリフ「たいへんだけど、なんか楽しいね。」にハッとしたことも。

昼食のあと 撮影したシーンをチェック。
すわさんから、「本当の宝物は、何かを考えてみよう」をきっかけに、アイデアを出し合い、再度撮影に。ラストシーンをカメラにおさめ、映画を完成に向けて、編集、映画告知用ポスターづくり、宣伝文、音楽、こどもサポートのおとなたちからアドバイスもらいながら、自分たちで、OKを出す。

赤チームは、オープニング作品。映画さながら、舞台あいさつも。自分たちが、感じたことを発表しました。
南牧村のこどもたちを本気にさせた3日間。短い時間だったけれど、親や学校の先生以外の本気のおとなたちが、本気で伝えようとした時間でした。
宝箱には、何もありませんでした。「宝のありか」は、どこにありましたか。
(みやさん)

 

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青チーム 3日目
2日間で撮りたい景色や場面の撮影を終えた青チーム。最終日3日目は、楽器や虫の小道具持参で集合です。今まで撮影したものを繋げるためには、あとどんな場面が必要だろうという話し合いから始まりました。そして 諏訪監督からヒントを頂いて、一人の女の子の変化に注目して考えたところ、足りない場面はあと2つ!!北小周辺でお昼も挟んで撮影したのは5カットでした。

ラストシーンへつながる映像の撮影場所はあっという間に皆のイメージにぴったりな場所を見つけることができ、撮影も無事に終了。みんなの満足そうな笑顔がとても印象的でした。炎天下で時間も迫る中、カメラの高さ、出演者の立ち位置を何度も確認。メンバーそれぞれの意見で修正しながら妥協することなく撮り直していました。

最後の編集とポスター作りは、編集班4人とポスター班2人に分かれて進めました。編集では、初日に撮ったラストシーンをその後に撮影した場面と自然につながるようにと最後までこだわりが見られ、今日の朝には全く想像する事ができなかった物語が完成しました。

上映会では、また一丸となった青チームの姿が見られたように思いました。
(ユッコ)

 

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黄色チーム 3日目
いよいよ最終日。
朝、前日に力尽きてしまったメンバーも元気に復活して、みんなのテンションも心なしか高めです。諏訪監督から全員に「撮った映像を見ることは実はとても難しい」というお話を聞きました。僕たち大人にもとても響きます。
さて、映画作り再開。
黄色チームは、あまり話し合いせずとも世界観を共有している不思議なチーム。撮影した映像を見返しながら、やっぱりなんとなく全員が同じ方向を見ています。そしてみんなが気になっているのが、前日に眠ってしまったメンバーのこと。
「合成する?」なんて話も出ましたが、自然なかたちで登場できるように追加撮影をしました。

午後は、編集チームとポスターチームに分かれます。編集チームは、6年生が主体となって、チームリーダーから編集のやり方をどんどん吸収していきます。完成までパソコンの前に張り付いてクタクタになりながらもやり切りました。ポスターチームは、音作りまで挑戦して、とても楽しそう。

そしてついに映画完成。上映会場は想像以上のお客さんで、みんな緊張しています。
完成した映画は会場で初めて見ることになりましたが、本当に黄色チームがよく表現されている映画だと思いました。
(ハマー)